百器徒然袋―風

諸般の事情により、読み損なっていた京極堂の一連のシリーズの一冊「百器徒然袋―風」を読んだ。百器徒然袋は、天下無敵の榎木津礼二郎の冒険譚(といより、破壊譚?)であるが、まぁ、こうも痛快に何でも破壊されると、それはそれで気持ちがいい。京極堂が陰気くさい分、ハレの榎木津が、このシリーズ全体を明るくしてくれる。なにせ、表紙の絵がいいではないか。招き猫に五徳。第一話「五徳猫」。右手を挙げている招き猫は、福を呼ぶところから、話は始まる。さらには、破壊の後始末を第二話「雲外鏡」、第三話「面霊気」でつけることになる。物語の主人公は、我こそは凡人と自称する本島(電気配線工事会社の図面引き)だが、榎木津率いる薔薇十字探偵の一員となって、活躍することになる。というか、巻き込まれるわけだ。
本島にはかわいそうだが、榎木津の破壊譚は、日常の些末な出来事を忘れらにはいい薬である。
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